軽トラは畑仕事や収穫、資材の運搬など、農業のあらゆるシーンで欠かせない存在です。
狭い農道でもスムーズに走れて維持費も安い、まさに「農家の相棒」と言えます。
そんな大切な軽トラを選ぶためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
この記事では軽トラ選びのポイントや新車・中古車のメリット・デメリットを解説します。
記事の後半では、作業効率や見た目の印象をアップさせる荷台カスタムやラッピングについても紹介していきます。
これから軽トラを導入しようと思っている方、既にお持ちの軽トラを快適化したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
軽トラが農業に最適な理由
軽トラは今もなお多くの農家に支持されています。
肥料や苗、収穫物の運搬から狭い農道の走行までできる軽トラは、使いやすさと経済を兼ね
備えた存在です。
ここでは、そんな軽トラが農業に最適と言われる理由を3つ紹介していきます。
狭い農道にも対応している
農業の現場では、舗装されていない狭い農道やあぜ道を走る機会が多くあります。
軽トラはコンパクトな車体なので、狭い道や曲がりくねった地形でもスムーズに走行可能です。
また、大型トラックでは入りにくいビニールハウスの横や畑の奥まで進むこともできるため、肥料や苗、収穫物などをその場で荷台に積み込めるのが大きなメリットです。
小回りがきく
軽トラの魅力の一つが優れた「小回り性能」です。
普通車と比べて最小回転半径が小さいため、狭い敷地でも方向転換やUターンがしやすい設計になっています。
農作業は限られたスペースでの移動が多いため、小回りが利いて、操作性が高い軽トラは作業効率アップに直結します。
ハンドル操作が軽く、女性や高齢の方でも扱いやすいのも人気の理由です。
維持コストが安い
毎日のように使う農業用車両だからこそ、維持コストの安さは重要です。
軽トラは軽自動車規格のため、自動車税・保険料・車検費用が普通車よりも安く済みます。
また、燃費性能が高いモデルも増えており、ガソリン代の負担も抑えることが可能です。
中古市場も豊富なので、初期費用を抑えて導入できる点も魅力の一つです。
農業で使う軽トラ選びのポイント

農業で使う軽トラを選ぶ際は、見た目や価格だけでなく、作業環境・用途・耐久性などを確認することが大切です。
以下の6つのポイントを確認しておくと、長く安心して使える1台を見つけることができるでしょう。
走行環境と駆動方式が合うか(2WD or 4WD)
田んぼ道や農道、あぜ道など舗装されていない道を頻繁に走るなら4WDがおすすめです。
ぬかるんだ道や坂道でもしっかりグリップが効くため、安定した走行ができます。
一方、舗装された道を中心に走る場合や平坦なエリアでの作業が多い場合は2WDでも十分です。
使用環境に合った駆動方式の軽トラを選びましょう。
AT車 or MT車
長時間運転をする場合や頻繁にストップ&ゴーを繰り返す場合は、クラッチ操作が不要で疲れにくいAT車(オートマ)がおすすめです。
一方、積載量が多く悪路走行が多い場合は、エンジンやブレーキの調節がしやすいMT車(マニュアル)が向いています。
ただし、MT車を運転できる人が限られている場合や複数の人が使う場合は、AT車を選ぶほうが安心です。
操作性や作業内容、操作する人に合わせて選びましょう。
積載量・荷台サイズが用途に合っているか
積載量や荷台サイズは、肥料や収穫物、農機具などを運ぶことを考えると非常に重要です。
一般的な軽トラの最大積載量は350㎏ですが、作業内容によってはそれ以上の容量が必要になることもあります。
また、荷台の長さ・幅・側板の高さなども確認し、安定性や積み下ろしのしやすさもチェックしましょう。
どんな場面で軽トラを使うかをイメージしながら選ぶと、後悔のない1台を選べます。
車体の耐久性や走行距離
中古の軽トラを選ぶ際は、車体の耐久性と走行距離をしっかり確認しましょう。
特に、農業で使用する車は、泥や雨水、日差しなど過酷な環境にさらされるため、サビや腐食が起きやすいです。
購入前には、フレームや荷台の裏側もチェックし、補修や防錆処理が施されているか確認することが大切です。
また、走行距離はできるだけ短く10万㎞以下の車体を選ぶと、長く安心して使い続けることができます。
操作性・快適性を見極める
農作業では長時間運転することも多いため、操作性や快適性は軽トラ選びの際に重要なポイントです。
まず、座席の座り心地や運転姿勢を確認し、長時間の作業でも疲れにくいかどうかを確認しましょう。
また、最近はエアコンなどの快適装備が充実したモデルも増えています。
夏場や冬場の作業が多い場合は、エアコンが搭載されたモデルを選び快適に作業しましょう。
荷台カスタムやラッピングができるかどうか
農作業で軽トラを快適に使うためには、荷台カスタムやラッピングを取り入れるのもおすすめです。
| 荷台カスタム | 軽トラの荷台部分を用途に合わせて改良すること。 <例> ・棚板の取り付け ・側板の延長や補強 ・カーボックスの取り付け ・荷台ゴムマットの設置 など |
|---|---|
| ラッピング | 車体の表面に専用のフィルムを貼って、デザインや色を変える加工。 軽トラの場合は、荷台やドア、窓に施すことが多い。 |
荷台カスタムは作業効率を高めるだけでなく、荷物の整理や安全性の向上にもつながるため、多くの農家の方に人気です。
また、ラッピングを施すことでおしゃれなデザインや農園のロゴを入れることもできるので、ブランディング効果も期待できます。
カスタム前提で軽トラを選ぶ場合は、カスタムしやすい車両や形状の車両を選ぶようにしましょう。
新車VS中古!農業用軽トラの賢い選び方

農業用の軽トラを選ぶ際には、「新車」と「中古車」のそれぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、用途や予算、使用頻度に合わせて比較してみましょう。
新車購入のメリット・デメリット
メリット
| 故障のリスクが低い | 新しい部品やエンジンを使用しているため、購入後のトラブルが少なく安定した走行が可能です。 |
|---|---|
| メーカー保証付きで安心 | 保証期間内に故障した場合は修理費用の負担が少ないため、万が一故障しても安心です。 |
| カスタムやラッピングがしやすい | 購入時にオプション追加やデザイン変更を依頼できます。 購入後にカスタムする場合も前の持ち主によるカスタムがされていないため、自由にカスタムできるので安心です。 |
デメリット
| 初期費用が高い | 新車は中古車に比べて購入にかかる費用がどうしても高くなってしまいます。 装備やグレードによっては、100万円を超えることもあり、コスト負担が大きいです。 |
|---|---|
| 納車までに時間がかかることがある | 人気モデルや特別仕様は数週間~数か月待ちになることも少なくありません。 |
| 乗り始めはキズや汚れに気を遣う人が多い | 新車ゆえに最初はキズや汚れに敏感になり、扱いが慎重になる人が多いです。 |
中古車購入のメリット・デメリット
メリット
| 初期費用が安い | 同じモデルでも新車の半額程度で購入できることもあり、購入費用を大幅に抑えることができます。 |
|---|---|
| 納車が早い | すでに在庫としてある車から選ぶため、納車が早いことが多いです。 |
| 条件に合った車を探しやすい | 4WD、農業仕様など希望条件に合った車を選ぶことができます。 |
デメリット
| 車の状態にばらつきがある | 走行距離や使用環境によって車体の劣化やサビが進んでいる場合があります。 中古車を選ぶ場合は、車の状態を確認してから選ぶことが大切です。 |
|---|---|
| 保証がない場合がある | 販売店によっては整備保証が付かないことがあります。 中古車を選ぶ場合は、保証の有無を確認するようにしましょう。 |
| メンテナンスが必要なことが多い | 新車と比べて購入後に故障することが多いため、タイヤ・オイル・バッテリーや他の部品の交換が必要になることもあります。 |
長期的に使いなら、保証や耐久性の面で新車がおすすめです。
一方、コストを抑えて気軽に導入したい方には、状態の良い中古車を選ぶのも賢い方法です。
使用頻度、予算、作業環境を考慮して、自分にあった1台を選びましょう。
【まとめ】新車VS中古!農業用軽トラの賢い選び方
| 車の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 新車 | 故障のリスクが低い メーカー保証付きで安心 カスタムやラッピングがしやすい | 初期費用が高い 納車までに時間がかかることがある 乗り始めはキズや汚れに気を遣う人が多い |
| 中古車 | 初期費用が安い 納車が早い 条件に合った車を探しやすい | 車の状態にばらつきがある 保証がない場合がある メンテナンスが必要なことが多い |
【シーン別】農業で使う軽トラの活用術

農業の現場では季節や作業内容によって軽トラの使い方も大きく変わります。
ここでは、シーン別におすすめの活用術を紹介していきます。
荷台カスタムでフル活用しよう
軽トラの荷台は苗、収穫物、機材など多くのものを載せます。
荷台マット、棚板、帆などを追加することで、荷物を分類しやすく、積み下ろしもスムーズにできます。
作業内容に合わせたカスタムを行って、積みやすく、汚れにくく、運びやすい荷台を実現しましょう。
ラッピングで見た目の印象をUPさせよう
ラッピングとは、ロゴや農園名などを軽トラの車体にデザインすることです。
デザイン性が上がるだけでなく、紫外線や汚れから車体を守る効果も期待できます。
直売所やイベント出店時にはアピールポイントとなり、「走る広告」として活用する農家も少なくありません。
夜間作業には作業等灯がおすすめ
日没後や早朝に作業することが多い場合は、荷台作業灯などを取り付けると大変便利です。
暗い中でも作業効率が上がるだけでなく、手元の確認がしやすくなるため、ケガ防止にも役立ちます。
夜間作業が多い場合は、ライトの設置がおすすめです。
まとめ
軽トラは狭い道でも走りやすく、小回りが利き、維持コストも安いため農業用に使われることが多い自動車です。
選ぶ際は、使用方法、走行環境にあった車体を選びましょう。
荷台カスタムやラッピングを組み合わせれば、作業効率だけでなく見た目や安全性も向上します。
自分の作業スタイルに合った1台を選び、農業作業で最大限に活用していきましょう。