軽トラは農業・建築・配送・趣味などさまざまな場面で活躍する頼れる相棒です。
そんな軽トラの性能を最大限に引き出すためにはタイヤ選びが重要になってきます。
走行環境や積載量、気候や季節に応じたタイヤを選ぶことで、長く安全に乗ることができます。
そこで、ここでは軽トラ用のおすすめタイヤと選び方を分かりやすく解説します。
あなたの軽トラにぴったり合ったタイヤ選びをするために、まずはタイヤの基本的な知識から理解していきましょう。
Contents
軽トラ用タイヤの基本知識
軽トラ用タイヤの選び方を考える前に、まずは軽トラや軽トラ用タイヤについて簡単に理解しておきましょう。
ここでは、軽トラや軽トラ用タイヤの特徴や基本的な知識を解説します。
軽トラとは
軽トラ(軽トラック)とは、最大積載量350㎏まで運べる軽自動車規格の小型トラックです。
農業・工事・配送・趣味など幅広い場面で活躍し、たくさんの荷物を積んだ状態で走ることができます。
塗装された道だけでなく砂利道やぬかるんだ道を走る機会も多いため、走行環境に合ったタイヤを選ぶことが大切です。
軽トラ用タイヤと軽自動車用タイヤの違い
軽トラ用タイヤと軽自動車用タイヤには大きく2つの違いがあります。
- サイズ
- 耐荷重性能
サイズ
軽トラ用タイヤは、荷物を積むことを前提に設計されているため、軽自動車用タイヤよりも幅が太く、外径も大きめに作られています。
そのため、軽トラに軽自動車用タイヤを装着することはできません。
もし誤って装着すると、車検に通らないだけでなく、安全性にも影響が出るため注意しましょう。
耐荷重性能
耐荷重性能はPR値とも呼ばれ、タイヤが支えられる最大の重さを示します。
軽トラは業務用で使われることが多く、荷物を積んで走行するため、PR値が高いタイヤを装着する必要があります。
このように、軽トラ用と軽自動車は同じ「軽」規格でも、それぞれ適したタイヤを使う必要があることを知っておきましょう。
【用途別】軽トラ用タイヤの選び方
軽トラは使い方によって求められるタイヤの性能が大きく変わります。
街中を走る配送用なのか、砂利道を走る農業用なのか、重たい資材を運ぶ資材運搬用なのか、用途に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、軽トラを使う主なシーンに合わせたタイヤ選びのポイントを解説します。
舗装路が多い場合(日常配送など)
舗装された道を走ることが多い軽トラは、標準的なノーマルタイヤであるサマータイヤやオールシーズンタイヤがおすすめです。
これらのタイヤであれば舗装路を快適に走行することができます。
さらに、燃費を良くしたい場合は転がり抵抗が少ないタイプを選ぶと良いでしょう。
未舗装路が多い場合(農業・畜産など)
農道や砂利道など未舗装路を走ることが多い軽トラは、しっかりグリップが効くオフロードタイヤがおすすめです。
こうしたタイヤであればぬかるんだ柔らかい路面でもスリップを防げます。
また、石や突起物に強くパンクしにくいタイプを選ぶことも大切です。
農業や畜産での作業は荷物を積んだ状態で不安定な路面を走ることが多いので、耐荷重性能にも余裕があるタイヤを選びましょう。
建築現場・資材運搬用
建築現場や工事現場で使用する軽トラは、重たい荷物を載せて走行する機会が多いので、耐荷重性能と耐摩耗性に優れたタイヤを選びましょう。
また、金属片やコンクリート片でタイヤを傷つけるリスクが高い場所では強化ゴムや補強材を使用したモデルが適しています。
このように、軽トラはどのように使うかによって向いているタイヤが異なります。
軽トラのタイヤを交換する際には、ご自身がどのような場面で使うかを想像しながらタイヤを選ぶことが大切です。
【気候別】軽トラ用タイヤの選び方
軽トラ用タイヤは用途だけでなく気候や季節に合わせて選ぶことが重要です。
積雪が多い寒冷地と温暖で雪がほとんど降らない地域ではタイヤに求められる性能が大きく異なります。
ここでは、気候や季節ごとに適したタイヤを紹介します。
積雪・凍結地域向けスタッドレスタイヤ
雪道や凍結路面を走る機会が多い地域では、スタッドレスタイヤが必須です。
スタッドレスタイヤは路面をしっかりととらえるため、滑りにくいという特徴があります。
積雪や低温が続く地域に住んでいる方は、シーズン前に溝の深さや劣化状況を確認し、スタッドレスタイヤを装着しましょう。
年間通して使えるオールシーズンタイヤ
冬も夏も履き替えず同じタイヤを使いたい場合は、オールシーズンタイヤがおすすめです。
舗装路と雪道での走行機能を両立できる設計なので、気候の変化が少ない地域に適しています。
ただし、スタッドレスタイヤほど雪や凍結に強いわけではないので、積雪が多い地域ではスタッドレスタイヤに交換する方が安心です。
このように、軽トラは用途だけでなく地域の気候や走行環境に適したタイヤを選ぶことも大切です。
【性能別】軽トラ用タイヤ選びのポイント!
軽トラ用タイヤを選ぶ際は、性能面の特徴をよく理解しておくことが大切です。
ご自身が重視するポイントによって選ぶタイヤは変わります。
ここでは、主な性能別に選び方のポイントを紹介します。
- 耐久性
- 耐荷重性能(PR値)
- 燃費性能
- 乗り心地
耐久性
軽トラは日常的に荷物を載せて走行するため、タイヤの耐久性が非常に重要です。
耐久性が高いモデルは摩耗しにくいゴムでできており、溝が深いタイプが多いため、寿命が長いという特徴があります。
耐久性が高いタイヤほど初期費用がかかることが多いですが、交換サイクルを延ばすことができるためトータルコストは削減できる可能性が高いです。
耐荷重性能(PR値)
耐荷重性能はPR値とも呼ばれ、タイヤが支えられる最大の重さを示します。
この数値が高いほど重たい荷物を載せて走ることができるということです。
農業用、建築用などで重たい荷物を載せる機会が多い場合は、PR値が高いモデルと選ぶ必要があります。
耐荷重性能が不足しているタイヤを選ぶと、バーストする危険もあるため、積載量が多い場合は必ずPR値を確認しましょう。
燃費性能
軽トラに毎日長い距離を走らせる場合は、燃費性能が高いタイプを選ぶことをおすすめします。
燃費性能が良いタイヤは転がり性能が高くスムーズに走れるため、結果的にガソリンの消費を減らすことができます。
舗装路中心の走行が多い場合は、燃費性能が高い低燃費タイヤを選びましょう。
ただし、未舗装路を走行することが多い場合は、耐久性やグリップ性能とのバランスを考慮して選ぶことが大切です。
乗り心地
軽トラは基本的に業務用として使われることが多いため、硬めの乗り心地になることが多いです。
しかし最近はクッション性を高めて乗り心地に配慮したモデルも増えています。
荒れた道での振動を減らしたいという方はクッション性が高いモデルを選ぶのがおすすめです。
このように軽トラ用タイヤは性能によって特徴が大きく異なります。
どの性能を優先するかを明確にして、ご自身の使い方や走行環境に合ったタイヤを選ぶことが大切です。
【メーカー別】軽トラのおすすめタイヤをご紹介!
軽トラ用タイヤはメーカーによって特徴や強みが異なります。
ここでは人気が高いタイヤの主要メーカーと代表的なモデルを紹介します。
ブリヂストン
ブリヂストンは耐久性と走行安定性・燃費性能のバランスに優れたタイヤを多数展開しており、業務用としても高い評価を受けています。
ECOPIA R710
舗装路での走行が中心の方におすすめのサマータイヤです。
耐摩耗性が高く長寿命なのが特徴で、業務や配送などで走行距離が多い人にも向いています。
また、燃費性能にも優れており、転がり抵抗が少ない設計のため、ガソリン消費を抑えたい方にもおすすめです。
【参考】ブリヂストン公式ホームページ
W300
冬場に活躍するスタッドレスタイヤで、雪道や凍結路面でのグリップ力に優れたモデルです。
柔らかいゴム素材と深めのトレッドパターンにより、氷雪路面でもしっかりと路面をとらえることができるため、雪が多く気温が低い地域に住む方に適しています。
冬期にも軽トラを使う方にとって、安心・安全を支えてくれる一本です。
【参考】ブリヂストン公式ホームページ
ダンロップ
ダンロップは日本の大手タイヤメーカーで、信頼性とコストパフォーマンスに優れた製品を多数展開しています。
高品質な国産タイヤを手頃な価格で選びたい方におすすめのメーカーです。
エナセーブVAN01
小型トラック・バン・小型バス向けに開発された低燃費サマータイヤです。
従来と比べて2.5%の燃費向上効果があり、雨天時のグリップ力にも優れたウェット性能が大きな特徴です。
高性能ながら価格が比較的リーズナブルなので、経済性と性能のバランスを重視したい軽トラユーザーに人気があります。
配送・業務用の軽トラにぴったりのモデルです。
【参考】ダンロップ公式ホームページ
WINTER MAXX LV01 for LT
2024年に発売された小型トラック・バン・小型バスなど業務車両向けの最新スタッドレスタイヤです。
氷雪路面での横滑りを抑えるインターロッキングサイプ構造を採用しており、冬場の走行安定性が大きく向上しています。
積雪が多い寒冷地で軽トラを使用する方や、冬季の配送・農作業に従事する方に最適なモデルです。
【参考】ダンロップ公式ホームページ
ヨコハマタイヤ
日本を代表するタイヤメーカーの一つで、バランスの取れた性能と高いグリップ力に定評があります。
軽トラなどの商用車向けのタイヤにも力を入れており、幅広い製品ラインナップを展開しています。
PARADA PA03
見た目と実用性の両立を重視したスタイリッシュな軽トラ・バン用タイヤです。
特徴的なトレッドパターンにより舗装路での走行安定性と排水性を高めており、市街地や高速での走行でも安定感のあるドライブが実現できます。
また、ホワイトレター仕様になっており、軽トラをカスタムして楽しみたい方やデザインにこだわるユーザにも人気です。
外観と性能の両方を重視したい方にぴったりの1本です。
【参考】ヨコハマタイヤ公式ホームページ
iceGUARD iG91 for VAN
氷上性能と長寿命を両立したスタッドレスタイヤです。
独自の吸水ゴム技術を採用しており、氷雪路面でもしっかりと路面をとらえるグリップ力を発揮します。
寒冷地で冬の道を安全に走行したい軽トラユーザーにおすすめのモデルです。
【参考】ヨコハマタイヤ公式ホームページ
グッドイヤー
グッドイヤーはアメリカ初の世界的なタイヤメーカーで、高い技術力とグローバルな実績があります。
耐久性・快適性をバランスよく兼ね備えた製品を多数展開しているのが特徴です。
VECTOR 4SEASONS CARGO
バン・ワゴン・小型トラック向けのオールシーズンタイヤです。
最大の特徴は季節ごとの履き替えが不要で、夏の暑い時期から冬の軽い積雪まで幅広く対応できる点にあります。
また、荷物を積んだ状態でもふらつきにくく安定感のある走りが実現できます。
年間を通して軽トラを使う方や、タイヤ交換の手間を減らしたい方におすすめです。
【参考】グッドイヤー公式ホームページ
軽トラ用タイヤの交換タイミング
軽トラは業務での使用が多いのでタイヤへの負担も大きくなりがちです。
安全に走行するためにも適切なタイミングでの交換が重要です。
ここでは適切な交換のタイミングを見極めるための3つポイントを紹介します。
溝の深さと摩耗ライン
タイヤには溝がありますが、その溝がすり減るとグリップ力や排水力が低下し、スリップの原因になります。
一般的に、溝の深さが1.6㎜以下になると車検も通らないので、交換が必要です。
タイヤのスリップサインを定期的にチェックし、少しでも溝がなくなってきたと思ったら早めに交換することをおすすめします。
経年劣化・ひび割れの発生
タイヤはゴム製品なので使用していなくても経年劣化によって性能が低下します。
特に日光や雨風にさらされやすい軽トラでは、側面や表面にひび割れが発生することがあります。
ひび割れを放置するとバーストの原因にもなるため、目立つヒビを見つけたら、早めに交換をしましょう。
製造してからの期間
タイヤは製造から5年~6年が交換の目安とされています。
走行距離が少なくてもゴムは経年劣化してしまうため、古いタイヤを使い続けるのは危険です。
製造年はタイヤの側面に刻印されている4文字の数字(例:2125→2025年21週)で製造時期を確認できます。
定期的にこの数字を確認して年数が過ぎている場合は早めに交換しましょう。
軽トラ用タイヤ選びで失敗しないためのポイント
軽トラ用タイヤを選ぶ際は価格だけで決めず、性能や耐久性などにも注目して選ぶことが大切です。
ここでは、タイヤ選びの際に抑えておきたいポイントを紹介します。
長期的なコストを考えて選ぶ
タイヤは安いものを選ぶと初期費用を抑えられますが、耐久性が低いため頻繫に交換が必要になり、コストがかかります。
長期的に考えると耐久性が高く、長く使えるモデルや燃費性能が高いモデルを選んだ方がトータルコストを抑えられることも多いです。
短期的なコストだけでなく長期的なコストを考慮してタイヤを選びましょう。
積載状況や走行環境に応じて選ぶ
軽トラは用途や走行環境に応じて選ぶことが大切です。
農業、配送、建築など使用目的によって必要な性能は大きく異なります。
作業環境に合っていないタイヤを選ぶとすぐに摩耗したり、スリップしたりしてしまう可能性があるので注意が必要です。
【合わせて読みたい記事】
軽トラユーザーの意見を参考にする
タイヤを選ぶ際は実際に同じ業種や地域の軽トラユーザーの意見を参考にするのもおすすめです。
同じ環境で軽トラに乗っている人の意見は大変参考になります。
また、地元で販売実績があるタイヤ販売店は信頼性が高く、専門的なアドバイスも得られやすいので、一度相談してみるのもおすすめです。
まとめ
軽トラ用タイヤは使用環境や作業内容に応じたものを選ぶことが大切です。
どのような道を走ることが多いか、どれくらいの重さの荷物を積んで走行するか、その地域の気候はどうか、などに目を向けることで、タイヤ選びでの失敗を減らすことができます。
各メーカーからさまざまなモデルが発売されているので、ご自身の目的に合った最適なタイヤを選びましょう。